MUGEプランニングのたまさかブログ

東海・中部地区で落語公演を開催しているオフィスのブログ

【昔、高座にダイビングしていた彼女】~鈴々舎美馬二つ目前祝い・新作の会雑感

「私、彼女とは落研時代からの付き合いで…。イメージは、火焔太鼓で高座にダイビングしていた印象しかなくて」中入り後、高座に上がった林家きよ彦さんがそう思い出を語った時、生でその場面に遭遇したあの日のことを思い出した。たしか岐阜、策伝大賞第12回…

150歳のときめきメモリアル~ショーリショー雑感~

「『松鯉先生、恋人がお待ちです』楽屋に入る時主催者の方がそういうんで、誰だろうなあと思ってちょっとときめいたら鯉昇師匠でした。この歳になってもそういわれると、少しはときめくんですね」私が洒落で言ったことを早速先生がネタにしてくれました。い…

「ムゲプラの本分」~9/16 鹿の初鯉 雑感

昨年の秋、ある噺家さんから聞いた話が耳に残っていた。「コロナで上方、特に大阪から遠い神戸喜楽館の経営が厳しいらしい」と。その時点ではまだ、完全にコロナがもたらしたエンタメ業界の苦難は続いていたので、何かできる事はないかと支配人さんともお話…

「ミスターシービーになる男」~第2回扇橋報告

「二つ目の頃、小辰を熱くする会をやっていただき、真打になって扇橋報告という会が始まり、やっと定着してきた矢先、次回で最終回と言うことです。この先もいろいろ呼んで下さるということなのですが、あんまり信用していません」 マクラで笑いに変えた扇橋…

「しっかり姉さんとやんちゃな弟」~9/3いちか&松麻呂独演会~

この日は、13:00田辺いちか、16:00神田松麻呂、近頃気になる講談界の若手二人の独演会でした。寄席の流れを重要視する落語と違い、講談はあくまで個人がたっぷり演じるほうが聴きごたえがある、との信念に基づき、独演会二本にしましたがこれが当たり、2回…

【MUGEプランニング2024年 1月~2月公演予定】

MUGEプランニング2024年1月~3月公演をお知らせします。※印は割引券が使えない公演、また協力公演についてはこちらではチケットを販売しておりません。 【1月】 8(月祝)14:00 玉川太福 大須独演會全席指定¥3500 名古屋・大須演芸場出演 玉川太福(2席…

「私たち夫婦の18年」~喬太郎・扇辰二人会雑感~

「人が死ぬ噺ですけど、それでもいいですか」 2004年冬、京成大和田駅前。全く知らない土地に、私は喬太郎師匠を訪ねた。冷たい風と、電車の通り過ぎる音だけは今でも覚えている。翌年4月に行う予定の結婚披露宴の余興を喬太郎師匠にお願いしたくて、私は長…

「売れっ子の宿命」~文治・小痴楽二人会

大須で公演を行なう時、必ず楽屋に置いておくものがあります。お茶?お菓子??お食事???それは当たり前に置きます。そうではなくて「ネタ帖」です。それも、演芸場に置いてあるものではなく、自前のプリントした紙です。 大須演芸場にもネタ帖はあります…

【聞きなれたネタでも、堪能はできる】~8/19松鯉・伯山親子会 雑感

この夏最大のイベントが終わりました。いつも100人ちょっとの大須演芸場の公演を中心にしているMUGEプランニングにとって384人キャパは久しぶりのこと。プログラムを刷っている時に一番それを感じました。 今一番チケットの取れない講談師が人間国宝をお…

8/19 松鯉・伯山親子会・駐車場のご案内

当日は駐車場係がおりません。比較的多めにスペースがありますのでお車でお越しの方は、参考になさってください。

【喬路、最後のおつき】~松喬・扇辰二人会7/23大須演芸場~

今年で三回目となった松喬・扇辰二人会。東西の腕っこきの職人の共演ということで、特にうちの会に来て下さる超一流の落語者のお客様には喜ばれました。また、扇辰師匠もこの会にいらっしゃるたび、「いいねえ、太鼓の音が違うのよ、江戸とは」と楽しみにし…

【上方落語の、今を聴く】~7/8.9天吾・源太 独演会

昨年のNHK新人落語大賞。決勝進出者をきいて、上方落語界に激震が走ったという。入門15年まで参加できるこの賞に、年が明けてわずか2年の桂源太と4か月前に年明けしたばかりの桂天吾が決勝進出、しかもこのふたりは同じ関学の落研の1年違いの部長。源太は…

【怒涛の七月公演その2~玉川太福ぎふ独演會】

岐阜に事務所があるのに公演の拠点が名古屋。そんな状態が続いて10年近く。世間で思っているより名古屋と岐阜の文化水準にはずっと開きがある。それはこの地に住んでいて初めてわかること。 岐阜市は市長の肝いりで20年、学生落語の大会を催してきたことが逆…

【怒涛の七月公演その1~春風亭朝枝独演会】

朝枝さんの落語を始めて聴いたのは、2018年2月、岐阜での一朝一之輔二人会。とはいえこの日、一朝師匠がスケジュールの都合で先に午前中二席行ない、午後一之輔師匠が3席やる変則の会で、その一之輔師匠の前座で「桃太郎」を聴きました。(高座名は朝七)前…

【MUGEプランニング11月・12月公演予定】

MUGEプランニング11.12月の公演予定をお知らせします。※印は割引券が使えない公演、また協力公演についてはこちらではチケットを販売しておりません。 【11月】11(土)15:00 神田伯山 高山独演会※全席指定 ¥3800 高山市国府 さくらホール出演 神田伯山…

【MUGEプランニング 8月から10月公演予定】

MUGEプランニング今後の公演をお知らせします。※印は割引券が使えない公演、また協力公演についてはこちらではチケットを販売しておりません。 【8月】 19(土)14:00 神田松鯉・伯山 親子会全席指定¥4000 岐阜県・不二羽島文化センター出演 神田松鯉 …

花丸・その孤高のたたずまい~6/25林家花丸独演会

私は長く、関東圏の落語に携わってきた関係で、上方の落語家一門についてとても知識が疎い。ただ、その拙い知識の中で一番意外だったこと。それは、俗に「上方落語四天王」と呼ばれる先代文枝、松鶴、米朝、春團治を上方落語の救世主、衰退から復興させた功…

【あけっぴろげに憧れて・・・?】~由瓶&兼好二人会

笑福亭由瓶という落語家がいます。彼の言動には制御という言葉がないように思えます。飲みにけいけば、注文を取りに来たお姉さまに「きれいやなあ」「こんなおやじに言われても嬉しくないやろ」と相手の反応を見ることは一切せずに話しまくったり、思ったこ…

「様子がいい」師匠のためにある言葉~6/11五街道雲助独演会

落語界の歴史の中で、非常に重要なポジションを占めている「古今亭」。昭和の落語界にその名を燦然と輝かせた志ん生・志ん朝・金原亭馬生門下をはじめ数多くの噺家を輩出、そしてその古今亭の現在の最高峰と言えるのが五街道雲助師匠であることに異論がある…

【怒涛の5月~番外編 ロッテを愛する落語会】~レジェンドはいつまでも、まぶしかった~

私の人生で、最も多くの時間を割いたのは、昭和43年の東京から、45年のロッテ、そして千葉ロッテ。言い換えればオリオンズからマリーンズ。あの客の入らない汚い川崎球場が、私の青春時代を彩った。そして、それに少しだけ遅れて落語が私の人生の友となる。…

【怒涛の5月~その5】~張り合うふたり~5/28松本あるぷす寄席

二葉ショックも癒え、雀太・源太の師弟を車に乗せて柏崎から一路松本へ。駅前のホテルに宿泊し翌日は市民芸術館であるぷす寄席でした。この時期松本は「クラフトフェア」が行なわれていて市内はどこも大混雑。ただ、人が出るということは、落語ファン以外の…

【怒涛の5月~その4】~二葉さんがいない柏崎~5/27

柏崎とのお付き合いは軽く10年を超えます。本当に偶然に、このお仕事を始めて長野から岐阜に来て、やっと軌道に乗り始めたころに突然、柏崎芸術協会の戸田さんという方からお電話を頂きました。「相撲の地方巡業みたいな形でなく、柏崎の皆さんに本物の落語…

【怒涛の5月~その3】爆笑寄席(高山市丹生川文化ホール)

山を越えれば上高地、乗鞍。近くには時々クマが出没。そんな土地でも、落語会はそこに住んでいる方を癒してくれる。そしてその笑顔を届けるのも、私にとって重大な任務。そんな爆笑寄席も、今年は当日までいろんなことがありました。 当初、主催の文化協会に…

【怒涛の5月~その2】5/21愛シテツ2~シテツを全線開通させる会

光陰矢の如し、ということわざを否が応でも認識せざるを得ない。落語とかかわってあっという間に40年、この仕事を始めてあっという間に20年が過ぎ、若手の頃からお知り合いになった落語家さんもそろそろベテランの域に達している。 その意味でいえば今回、師…

【怒涛の5月その1】~オースのジョー13

落語を好きになり、寄席に通いだした大学時代だから、今からもう40年も前。その頃好きだった志ん朝、小さんのトリの時、ヒザに上がっていた三味線漫談の女の人があまりにきれいだったことがおぼろげな記憶としてあった。 その後、田舎に帰って家業を継いだこ…

【若者噺の9人】~歴史を刻んだ5日間~

「何をとちくるったのか」「物好きにもほどがある」「きっとどこかから金を引っ張ってきてるんだよ」 この企画を発表した時、耳にした言葉です。確かにハードなGW、疲労困憊の昨日今日です。名古屋市那古野・円頓寺レピリエを5日間借り切って9人の若手落語…

信頼と実績の「扇々喬々」~4/18 大須演芸場

名古屋には、本当に数多くの落語会があります。名古屋市文化振興事業団の栄のアートピアホールのほか市内15ヶ所の文化小劇場で行う公演、新聞社主催の事業として行う公演、カルチャーセンターでの公演、イベント業者の公演、そこに我々のような小さな主催者…

【猪木に送る三本締め~4/15 神田伯山長野独演会】

「見たことないよ、三本締めなんて。それに160分の4席。充実すぎるだろう!」名古屋の会で親しくさせていただいている方が、ラインで感想を述べて下さった。その方は東京の会にも地方の会にも、スケジュールが許せば足を運んでいる講談好きの方。ただ、様々…

「マロは話好き」~麻呂がおじゃるよ・神田松麻呂独演会

「オファーがあったのって、二つ目になるひと月前ぐらいっすよね。初めてのオファーだったんです。一番最初。嬉しかったっす。」会場に着くなり松麻呂さんはぺこりと頭を下げた。二つ目になれば、仕事は自分で探してこなければいけない。その最初の依頼がう…

「継続は力なり」~鉄道落語会2(関東編)

昨年の関西編に引き続き、今年は関東編で開催の鉄道落語会。登龍亭獅鉄さんが元鉄道マンだったということもあり、落語家になってすぐに企画を考えたこの会でしたが、昨年終わってちょっと不安を覚えました。というのも、あまりにも鉄道に企画が偏りすぎるこ…