この日を前に、私が心に決めていたことがありました。ここのところの独演会で、伯山先生が気になされていること、それは携帯。今までも細心の注意を払い、お客様にかげマイクでしつこいほどに放送をしてもなお、鳴っていたことで、伯山先生の演目に支障が出…
田舎は、長野県。それも国鉄の駅ではなく。長野電鉄の終着駅。湯治に来るのはいいかもしれないけれど、その頃の東京なんて夢のまた夢。そんな僻地に住んでいたのに、わずか13歳で東京に行く羽目に。今では考えられない環境の寮で、中学高校を過ごした。 一年…
白酒師匠は、二つ目時代の喜助の頃からよくお呼びしました。人当たりの良い本当に人格者で、師匠である雲助師匠の一番弟子として、のびのび育てられた感じが窺えました。お弟子さんは4人で、3人はもう二つ目、唯一前座として残っているのが地元、長野市出身…
光陰矢の如し。私が学生落語に関わり始めたのはもう15年前。それから数多くの学生が社会に巣立ち、何十人かの学生が噺家の道を選んだ。その中の何人かは私に落語家になりたいと相談に来ました。「師匠は誰でもいいので落語家になりたい」と言ってきた者もい…
今年も、ムゲプラ友の会に80名様、会員になって頂きました。名古屋の公演、愛知県下、また岐阜まで入れると相当数の公演がひしめく中、我々のような小さなオフィスは時に、ほかには絶対にない組み合わせの会を主催します。今回の東西四派がまさにそれ。これ…
親しくさせて頂いている先輩席亭と電話で話す。「ここんとこ、大御所の人気が上がっている感じしない?前売り券の伸びが、その年代に限って凄くてさ」おっしゃる通り、今回の扇遊鯉昇二人会は、前の二回よりチケットが伸びていた。鯉昇師匠に人気があるのは…
「2/10は鈴をよろしくお願いします。これ、つまらないものですけど」1月8日、大須演芸場の楽屋でみね子先生にいきなり崎陽軒のシューマイを戴く。言うまでもなく、松本の鈴さんの件。ご自分の激動の半生の中で、絶対ありえないと思っていたという弟子入り志…
11年前の2013年7月、今を時めく桂宮治、神田伯山(松之丞)のお二人を招き長野・岐阜の二ヶ所で落語会を開きました。長野は松之丞さんはゲスト枠で山田真龍軒。そのまま車で岐阜に移動して、岐阜のお寺で2席ずつのたっぷりな会。 宮治さんの芸はあまり覚えて…
入船亭小辰、そして真打昇進、襲名して扇橋。彼の落語に衝撃を受けた5年ほど前から、ずっと会を開いてきました。二つ目時代は龍玉・馬るこ・喬介・文菊・宮治。昇進後は一之輔・扇遊・駒治。先輩に胸を借りるというコンセプトも今回が最後。次回は後輩 朝枝…
「今度うちの直営で、鶴舞にレストランができるんだ。その定休日とかに、落語をやったりすることはできないかな。貸館とかでもいいんだけどね」 親しくさせていただいている会社の社長さまからお話を頂いたのが一昨年。そのレストランがオープンし落ち着いた…
毎年秋、若手落語家がこぞってエントリーし、桂二葉さんの「じじいども、見たか!」の発言などで注目を集めているNHK新人落語大賞。その14回優勝者が、芸歴30年を迎え大須演芸場で江戸の噺家さんとコラボします。その噺家の名は桂米紫。 今から25年前の19…
新年度早々、MUGEプランニングでは見逃せない公演が3つ。ひとつめは毎年おなじみ、扇辰、喬太郎のおふたりが2席ずつ演じる扇々喬々。あっという間に7回目です。喬太郎師匠は名古屋では絶大な人気を誇ります。一年に、たぶん10回は来ている感じながら、M…
MUGEプランニング正月最初の公演は、ここ数年玉川太福大須独演會となっています。柳家小せん師匠が浪曲に挑戦、また坂本頼光さんの活弁、かけ橋さんの落語など、ゲストも多彩なこの会、今回のゲストは田辺いちかさんでした。 その日のうちに旧ツィッター…
改めまして新年あけましておめでとうございます。今年1年、またよろしくお願い致します。 ここのところ、上方落語の面白さを最認識しています。上方落語は関西弁です。この関西弁について、プロの方がわずかな言葉のイントネーションが京都の言葉と大阪と神…
あけましておめでとうございます。MUGEプランニング公演に平素よりお越し頂きありがとうございます。今年も皆様にウチだけの個性あふれる企画の公演をお届けしようと思っています。どうかよろしくお願いします。 今年は元旦から北陸地方を大地震が襲い、…
3年前、獅鉄くんから名古屋の会場として紹介して頂いた円頓寺レピリエ。名古屋駅から近く、古民家なので趣もあり、楽屋もしっかりしている使い勝手の良さに惹かれ、それ以降MUGEプランニングの小さな会の本拠地として利用している。基本、12月の名古屋は…
令和5年、ムゲプラ最後の大須公演は、人気落語家古今亭菊之丞師匠の独演会でした。よく、当たりはずれなどと言いますが、菊之丞師匠の高座にはほとんど外れがありません。そして、その語り口には江戸の風がビュービュー吹いている。昨今はやりのギャグや入れ…
その日、北野文芸座での公演を前にいつものように長野駅に演者さんを迎えに行った私は、改札から出るなり二葉さんに声がけをする出待ちの光景を見た。会場の前で出待ちをするのはよくあることだけれど、駅の到着を待って出待ちは初めてで、立ち止まってその…
鯉八さんの落語は、感性の落語です。ご自分の世界観に沿って、登場人物に色付けをしていくけれど、次の展開が全く読めない、落語ファンにとっては「最高難度」の落語だと私は思っています。反対に、獅鉄さんの落語は「擬人化」の作品が多いような気がします…
二週間前、私のブッキングした柏崎の公演で携帯が鳴り、伯山先生のネタを変えさせてしまった反省を踏まえ、入場口にプラカード、お声がけ、そして開演直前に舞台上に顔を出しての訴えまで行なった高山の独演会。「問わず語りの神田伯山」でも取り上げられて…
今年もあと2ヶ月。来年のムゲプラ会員募集要項をお伝えします。会員になると当社落語会の先行販売、割引の特典があります。下記の注意事項・要項を参照の上、お申し込みをご検討ください。申込開始は来年1/1より。会場での募集は1/8太福独演会からとなります…
今年もあと10日になりました。今年もいろいろとお世話になりました。来年もよろしくお願い致します。来年は1/8、太福独演会から幕開けとなります。太字は東海地区以外の公演、割引券は使用できません。 ★1/8(月祝)14:00 名古屋・大須演芸場 「玉川太福独…
「名古屋でやったネタは避けたほうがいいですかね?」小痴楽師匠に開演前にそう聞かれた時、家内はこう答えました。「名古屋と飛騨は全く客層が違うので、同じでも全然かまいません。ただ、できたら甚五郎ネタは避けて下さると助かります」 過去、足かけ10年…
柏崎市で、長く市民のために文化的公演を行なってきた柏崎芸術協会が解散して一年半。お世話になったお礼も兼ね、新組織の「柏崎舞台観楽会」の発足に微力ながら関わらせて頂きました。発足後初の落語会は5月の上方落語の会だったが、二葉さんが急病のため欠…
コロナ禍の3年間、エンタメ業界への打撃は計り知れないものでした。時短営業、マスク、ワクチン、そして究極が、人を集めてはいけないというお達し。もちろんその期間中も苦しかったけれど、今それらが解除になってからも苦しい日々は続きます。理由ははっき…
「イタコ捜査官メロディ」私が初めて馬るこさんを聴いたのはこのネタ。場所は2009年、文化放送の中のホールで行われた浜松町かもめ亭。トリの扇辰師匠を聴くつもりで足を運びました。中入り前が談笑師匠でしたが、他の仕事があるのか出番が変わり、中入り前…
「私、彼女とは落研時代からの付き合いで…。イメージは、火焔太鼓で高座にダイビングしていた印象しかなくて」中入り後、高座に上がった林家きよ彦さんがそう思い出を語った時、生でその場面に遭遇したあの日のことを思い出した。たしか岐阜、策伝大賞第12回…
「私、彼女とは落研時代からの付き合いで…。イメージは、火焔太鼓で高座にダイビングしていた印象しかなくて」中入り後、高座に上がった林家きよ彦さんがそう思い出を語った時、生でその場面に遭遇したあの日のことを思い出した。たしか岐阜、策伝大賞第12回…
「私、彼女とは落研時代からの付き合いで…。イメージは、火焔太鼓で高座にダイビングしていた印象しかなくて」中入り後、高座に上がった林家きよ彦さんがそう思い出を語った時、生でその場面に遭遇したあの日のことを思い出した。たしか岐阜、策伝大賞第12回…
「『松鯉先生、恋人がお待ちです』楽屋に入る時主催者の方がそういうんで、誰だろうなあと思ってちょっとときめいたら鯉昇師匠でした。この歳になってもそういわれると、少しはときめくんですね」私が洒落で言ったことを早速先生がネタにしてくれました。い…