MUGEプランニングのたまさかブログ

東海・中部地区で落語公演を開催しているオフィスのブログ

【若者噺の9人】~歴史を刻んだ5日間~

「何をとちくるったのか」
「物好きにもほどがある」
「きっとどこかから金を引っ張ってきてるんだよ」

この企画を発表した時、耳にした言葉です。
確かにハードなGW、疲労困憊の昨日今日です。
名古屋市那古野・円頓寺レピリエを5日間借り切って9人の若手落語家の独演会だけやってもらう。確かにそんな企画を立てること自体、無謀な事だったのかもしれません。
でも、東海地区で落語の仕事についてずっと思っていたことを実行する機会があればと、3年ほど前からタイミングを見計らっていました。

次代を担う若者を支援しよう?
いえ、そんなたいそうなものじゃありません。

落語界の将来のために、赤字覚悟で育成したかった?
いえ、そんな偉そうなものでもありません。

私が気になって、聴いてみたいと思う若手に集まってもらって場を提供した、
ただそれだけ。

人気の師匠のお供でやってきて、前座で一席やって帰っていった。
何人かの若手を集めた会で一番存在感があった。
学生時代から、その発想力に着目していた。

そんな9人に目一杯の時間を与えて、思う存分やっていただくって、
楽しいじゃないですか?

そして9人とも、攻め入ってきた尾張の地に、確かに爪痕を残して行った。

昇輔くんの、きめ細かな所作つきの「のぶこよしえ」。
音助さんの、ひとつひとつの間を大事にする「ねずみ」。
小文吾くんの、粗削りだけれどパワフルな「タイムスリップ」。
雛菊さんの、亀ちゃんを叱るおっかさんに胸が詰まった「子は鎹」。
菊正くんの、この先の進化が楽しみな「初天神」。
かけ橋さんの、積み重ねた努力が花開く「不動坊」。
市好さんの、実直な性格がそのまま久蔵に乗り移った「紺屋高尾」。
きよ彦さんの、中身を予想させずに興味を持たせる「いい感じの小料理屋」。
談洲さんの、師匠譲りの構成力が際立つ「火事息子」。

9人は確かに、尾張の地を征服したと思います。
ありがとう。

それぞれの物語の続き、また見せて下さいね。