MUGEプランニングのたまさかブログ

東海・中部地区で落語公演を開催しているオフィスのブログ

【怒涛の5月~その4】~二葉さんがいない柏崎~5/27

柏崎とのお付き合いは軽く10年を超えます。
本当に偶然に、このお仕事を始めて長野から岐阜に来て、やっと軌道に乗り始めたころに突然、柏崎芸術協会の戸田さんという方からお電話を頂きました。
「相撲の地方巡業みたいな形でなく、柏崎の皆さんに本物の落語を聴かせてあげたいので協力して下さい」そう言われ、日本列島を縦に横断して寄席を組み立ててきました。

「本物の落語」というものがどういうものかははっきり言えないけれど、あの時おっしゃられたニュアンスはわかるつもり。その依頼にのっとって、数多くの噺家さんや色物さんをブッキングしてきたのだけれど、東日本大震災が起こり、柏崎刈羽原発の運転が停止されてから地元の経済状況が悪化、加えて会員の高齢化が重なり昨年ついに協会の解散となりました。

それでも地元を元気づけたいという思いと、かれこれ20回も公演でお世話になったせめてもの恩返しということで地元の元会員の皆様のご協力を仰ぎながらMUGEプランニングと新しく発足した柏崎舞台観楽会との共催の形で「柏崎潮の音寄席」の名称はそのままに、再スタートを切ってその第1回目。今回は人気急上昇の桂二葉さんを目玉に、雀太、源太の師弟が脇を固める形の寄席を提案し動き始めたのです。

でも、一度解散した組織をもう一度復活させるのはかなりのパワーが必要で、お客様もコロナ明けということでそこそこの反応、追い込みに期待し私は現地に入る準備をしていました。ところがその追い込みの最中、かなりまずい情報が飛び込んできました。

「二葉さんが扁桃炎で声が出ない」

翌日には、「神戸の会を休み、師匠が代演したらしい」
そこで、改めて情報を収集、本人は何とか出たい、けど声が出ないと言っている、そんな状態で来て頂いても満足な高座はできない、雀太さんとも相談の結果、休演やむなしの結論に達したのが前々日の夕方。ただ、そうなると大問題が残ります。

「代演は誰にするのか」

土曜日、関西から駆けつけると所要時間4時間、帰りの電車も夜遅くなる、二葉さんの代演となるとそれなりの方でないとお客様が納得しない、いくつかあたってみましたがやはりそのクラスの方はお仕事が入っています。仕事先から来て頂くにはあまりに遠すぎる、いろいろ検討した結果、あとのお二人に二席ずつやっていただくしかない、そう判断したのは前日夜でした。

「オープニングトーク」 雀太&源太
湯屋番」源太 「天狗さし」雀太~中入り
「時うどん」源太 「住吉駕籠」雀太

雀太さんの一席目は、二葉さんオマージュの「天狗さし」。
NHK取った時のネタを持ってくるなんて、雀太さん、わかってる~(笑い)

キャンセルも13枚と予想より少なかったけれど、何はともあれ会は盛況で終わりました。このリベンジは来年していただくつもりです、これからも柏崎は、私の第二の故郷として公演を続けていこうと思っています。ありがとうございました。