MUGEプランニングのたまさかブログ

東海・中部地区で落語公演を開催しているオフィスのブログ

2022-01-01から1年間の記事一覧

松喬師匠の凄さを、名古屋のファンが認めた日~松喬扇辰二人会

昨年に引き続きの、松喬扇辰二人会。事前のチケットは伸び悩んでいました。同日に、西文化で市馬独演会がかぶっていて、名古屋のファンが割れるのは覚悟。でもどうしても江戸に比べて観客動員が芳しくない上方落語をそれを承知で名古屋のファンに提供しよう…

「愛して2!」夢丸・獅鉄の会

名古屋の落語家がほぼ小福師匠一人だったころ、大須演芸場は老朽化して閑古鳥がないてました。獅篭さん幸福さんが来ても飛躍的に観客動員は伸びず、名古屋雷門も演芸場もなくなってしまうのか、そんな瀬戸際に、今の演芸場存続に立ち上がった方々。そのご尽…

「はしごしました」~由瓶・兼好二人会が終わって思うこと

東海地方に移住してきた今から15年ぐらい前は、一部の笑点メンバーなど大御所の会以外は、落語会の数はそんなに多くありませんでした。老舗のプロモーターが三三師匠を売り出そうとして会をなさっていたことがとても新鮮に思えたほどでした。 あれからすぐ、…

入船亭小辰、最後の大須演芸場。【残券 些少】

いよいよ真打昇進まで1ケ月となりました。懇意にしている扇辰師匠の下に弟子が入ったと聞き、その方から「今度の弟子は達人だよ」と言われたのでどんな経歴なんだと驚いたのが昨日のことのように思い出されます。(前座名は辰じん) あれからはや14年。真打…

21年前と同じ匂い・たたずまい。春風亭朝枝、名古屋で跳ねる。

平成11年、私の故郷の長野県であるひとりの二つ目さんの落語を聴きました。まだ二つ目になって2年、26歳の若さにもかかわらず、しっかりした口調で将来の飛躍を感じさせたあの落語家。あれから21年、令和4年6月12日、あの時の印象と同じ、しっかりした口調…

【足掛け18年の歴史に幕。さようなら郡上寄席。】

郡上おどりで有名な郡上八幡のお寺で「大寄席」としてあの永六輔さんのプロデュースで昭和50年から32回の長きにわたり開催された「郡上大寄席」。第一回は永六輔、小沢昭一、桂米朝、柳家小三治、入船亭扇橋といういずれ劣らぬビッグネームの共演で始まりま…

【按摩の目】~雲助たっぷり(五街道雲助独演会)

ここのところ、独演会の時は長野や岐阜、名古屋など場所を問わず3席か、あるいはゲストを呼んでの2席というパターンがほとんどでした。それに倣い、前回の雲助たっぷりは雲助師匠と二つ目さんのこはくくんで2席ずつというプログラミングだったのですが今回初…

二つの顔を持つ男~5/14柏崎&5/15 長野 一之輔独演会~

土日と、出張公演に行ってきました。土曜日は、柏崎。ここには昭和35年に発足した柏崎芸術協会という組織があり、平成21年よりお付き合いさせて頂いていました。しかし、平成23年の東日本大震災、それに伴う柏崎刈羽原発の停止などが重なり会員数も年々減少…

「究極の様式美がそこに。」~小辰を熱くする会~雑感

だんだん、お客様が増えてきた。小辰という噺家の価値が理解されてきた。4回目を迎えたこの会で、間違いなく小辰さんは成長されたと感じています。1回目から来ているお客様が、はっきりアンケートに書かれていることがその証拠。そしてその小辰さんの前に立…

「芸協に、こんな凄い噺家もいる」

「相手がワルツを踊るならワルツを、ジルバを踊るならジルバを踊れ」これは、今は亡きプロレスAWA王者、ニック・ボックウィンクルが父親から教わったプロレスラーの理想形。観客がいて初めて成立するプロレスの極意を語ったものです。5.1・円頓寺レピリエ…

「伝統芸能と大衆芸能」~オースのジョー11終演

18日大須、23日長野、24日大須の怒涛の公演ラッシュが終わりました。お越し頂いたお客様にはただただ感謝いたします。ありがとうございました。先日のブログにも書いた、「おぼろげながら見えてきたこと」とは、落語協会と落語芸術協会の違いのことでした。…

「扇々喬々」終演。おぼろげに、感じたこと。

月曜日の夜、雨上がり。いつも二人の会に、仕事を終えて駆けつけて下さる皆様。扇々喬々は今回も、お客様の心に深く入り込んだ四席でした。「道灌」 辰ぢろ「お祭り佐七」扇辰「寝床」 喬太郎~中入り~「普段の袴」喬太郎「雪とん」 扇辰 ちょうど二日前に…

2021年度(令和3年度)の公演の終着駅は「鉄道落語会」。

愛知環状鉄道の社員だった稲垣君が、名古屋の獅篭一門に弟子入りした時から、いつか開催しようと思っていた鉄道落語会。ただ、東海地区にどれだけ鉄道ファンがいたとしても、その方々が大須演芸場に足を運んで下さるのか、逆にふだんムゲプラ公演に来ていた…

兼好宮治、これぞ最強タッグ。

始めて宮治師匠をお呼びしたのは、彼が二つ目になりNHK若手落語家選手権をとったばかりの頃でした。長野、松本、岐阜、柏崎、ほんとうにいろんな会にお呼びし、すべての場所で彼は期待に応えてくれました。将来を期待される若手だとはもちろん認識してい…

「初夏の大須演芸場 東西個性派対決その弐」~松喬&扇辰2人会

46年前の6月26日は日本武道館で世紀のスーパーファイトと謳われた、アントニオ猪木vsモハメッド・アリ戦が行われた日です。プロレスラーが現役の世界チャンピオンと戦うなんて、後にも先にもこの時だけ。しかもお互いの看板を背負っているガチンコ勝負のた…

「初夏の大須演芸場 東西個性派対決その壱」~由瓶&兼好2人会

去年6月平日の夜に実現した由瓶&兼好二人会、今年は日曜日の午後開催となります。上方で爆笑王の称号をほしいままにしている笑福亭由瓶師匠、実は兼好師匠とは旧知の中で、大阪に兼好師匠がいらした時に由瓶師匠宅に宿泊したことも。昨年のアンケートに、ぜ…

円丈チルドレンの意地が、名古屋で爆発。~瀧川鯉朝独演会

コロナの蔓延防止期間が延長になり、外出を控えたい空気がまだ残り、冬将軍が最後の抵抗を見せた3月の日曜日。大須演芸場では柳家さん花真打昇進披露公演が行われ、さん喬師匠、彦いち師匠の豪華メンバーが集う。そんな悪条件が重なり、夕方4時半からの公演…

そこには間違いなく、「いっちょうけんめい」がいた。~2/27大須雑感

「このご時世、病気はありえることだが今回の代演は上か、悪くても同列の原則に合わない。不愉快。いい噺家さんとのネットワークがあるムゲプラさんなのに、そういう顔を連れてこれなかったのか。その努力不足を強く思う」 公演後に、こんなアンケートがあり…

「アキット あにさん」

2/13大須演芸場、ユメユメコラボ、何とか開催することができました。このシリーズを継続する時にいちばん考えるのはコラボの内容とアキットの相方です。特に会場が大須演芸場で、備え付けがある状況、古典落語も達者で落語家さんで太鼓の技術がしっかりして…

扇遊鯉昇二人会、ささいなハプニングでほっこり。

昭和28年生まれ、花のニッパチ、同期会。鯉昇師匠とお付き合いを始めてかれこれもう20年以上になります。お呼びした回数も数知れません。どこにでも、どなたとでも、快く会にいらして下さる師匠です。その師匠が前回の松鯉先生との会のあと、ぼそっと「扇遊…

東から新作、西から力技。

1/30日曜日。この日は東海地方で落語会花盛り。喬太郎師匠も、一之輔師匠も、宮治師匠も、各ホールにご登場の中、円頓寺レピリエで昼夜の公演。 昼はきよ彦さんの新作。 女性の視点で、かといっていやらしくなく、自分の体験を織り交ぜながら展開していく新…

ベールを脱いだ、「シンナゴヤ」。

「ヤバすぎ新作」終了しました。コロナ禍の中、たくさんのご来場。オープニングトークで円丈師匠の思い出を語っていただきましたが、古典至上主義の雰囲気の中、孤軍奮闘で頑張っていらした師匠でさえ、「新作はもうからない」という事実には抗えなかった、…

20歳の前座が、会の空気を作った夜~小辰を熱くする会3

小辰、真打昇進まであと8ヶ月。今回の刺客は上方より、笑福亭喬介さん。名古屋のお客様にはあまり上方落語はなじみがないかもしれないけれど間違いのない実力者。どちらかというと、タイプは小辰さんと正反対でお客様に、その対比を楽しんでいただこうと考え…

新年初公演、太福と頼光の底力。

新春の一発目、MUGEプランニングの公演はここ数年、太福さんで始まっています。6年前に、浪曲の常識を打破した若手がいると聞いてオファーして、その人間性とバイタリティーに感服して定期的な会をお願いした経緯があります。その期待通り、一年一年人…