MUGEプランニングのたまさかブログ

東海・中部地区で落語公演を開催しているオフィスのブログ

21年前と同じ匂い・たたずまい。春風亭朝枝、名古屋で跳ねる。

平成11年、私の故郷の長野県であるひとりの二つ目さんの落語を聴きました。
まだ二つ目になって2年、26歳の若さにもかかわらず、しっかりした口調で将来の飛躍を感じさせたあの落語家。あれから21年、令和4年6月12日、あの時の印象と同じ、しっかりした口調の落語家さんに出会いました。

朝枝さんの噂は以前から耳にしていました。というか、一朝師匠のおつきの前座さんとして4年前に聞いていました。その時は、口調が橘家圓太郎師匠にそっくり、ということで驚いた記憶があるのですが、今年の2/27に一朝師匠との親子会を企画して、二つ目になってどういう風に変わったのかも楽しみにしていました。

ところがこの公演は一朝師匠のコロナ感染で三朝師匠との会になり、その時「あれ、以前のイメージと違うなあ」と思いました。三朝師匠の元気のいい高座に挟まれての古典2席でしたがあまり個性を前面に押し出していない印象でした。

ところがこの日の三席は、誰に遠慮をすることもない自分だけの落語ということで、2月とは真逆の個性的な高座でした。隠居のキャラ、小僧のキャラ、おかみさんのキャラ、職人のキャラ、そのすべてが所作も含めて演じ分けができていて、変なくすぐりを入れることなくお客様の笑いを呼び起こす。落ち着き払ったいい高座でした。

「たらちめ」「茶の湯」「締め込み」

落語協会は様式美」と前にもブログで述べましたが、その流れをしっかりと受け継ぐ見事な落語。これからもその成長を、ライブで見届けていきたいと思います。

21年前に同じ匂いを感じた二つ目さんは、今は落語協会理事、堅実に名人への道を歩んでいます。その落語家さんの名は・・・・柳家三三