MUGEプランニングのたまさかブログ

東海・中部地区で落語公演を開催しているオフィスのブログ

「究極の様式美がそこに。」~小辰を熱くする会~雑感

だんだん、お客様が増えてきた。小辰という噺家の価値が理解されてきた。
4回目を迎えたこの会で、間違いなく小辰さんは成長されたと感じています。
1回目から来ているお客様が、はっきりアンケートに書かれていることがその証拠。
そしてその小辰さんの前に立ちはだかる噺家さんはいつもそれ以上。
今回もまた、「ザ・様式美」とも呼べるような刺客がたちはだかりました。

2022.5/8 大須演芸場 小辰を熱くする会4 

「オープニングトーク
「欠伸指南」小辰  「厩火事」文菊
湯屋番」文菊   「鰻の幇間」小辰

登場から、いつもの腰を落とした足取りで文菊師匠登場。
座布団に座ってからの全ての所作に無駄がない。気取っているとか、品があるとか、そんな陳腐な言葉では形容できないほどの存在感。ともすれば嫌みに聞こえる危険もあるのに、まるで意に介さない。これぞ究極の様式美。そこから発せられる本寸法の落語がとにかく耳に心地よい。厩火事も、湯屋番もありふれた、誰しも高座にかける噺なのに、文菊師匠の手にかかると実に味わい深く聞こえます。まさに若手のホープと言っていいと思います。

この分野では、たぶん小辰さんは太刀打ちできません。というか、太刀打ちする気がないと思います。いつものように噺の幹を崩さない範囲で、内容をどんどん膨らませてゆく。トリのウナタイは、まさにその究極の形でした。

さて、辰のオトシゴ、小辰を熱くする会も次回でFINAL。
最強最大の笑点レギュラー、桂宮治師匠がやってきます。私の中ではまさに対極の対決、新日本プロレス頂上決戦っぽいイメージなのですが、宮治師匠は反則ぎりぎりの場外乱闘も得意です。小辰さんが引っ張り込まれないよう、お客様も見守って下さい。