親しくさせて頂いている先輩席亭と電話で話す。
「ここんとこ、大御所の人気が上がっている感じしない?前売り券の伸びが、その年代に限って凄くてさ」
おっしゃる通り、今回の扇遊鯉昇二人会は、前の二回よりチケットが伸びていた。
鯉昇師匠に人気があるのは今に始まったことじゃないとは思うのだが、今までどちらかと言えば実力派であるけれど地味な印象のあった扇遊師匠が見直されてきたことは、とても席亭として喜ばしいこと。もしかしたら昨年から今年にかけて数多くの寄席芸人さんが旅立ってしまったことで、お客様がその年代の「今」を見ておきたい、と思ったんじゃないかとも思っています。いずれにしても過去最高のお客様の見守る中の二人会、素晴らしい会となりました。
「つる」 十八
「干物箱」 扇遊
「茶の湯」 鯉昇 ~中入り~
「初天神」 喬路
「日和違い」 鯉昇
「井戸の茶碗」扇遊
「ありがとうございました。干物箱、本屋のぜんさんの
一人キチガイのくだり、あんなバージョンがあるとは知りませんでした」
「ああ、落語協会の形じゃないかもね。
実はこの噺、小柳枝師匠に教わったんだ」
「そうなんですか!!!」
「そして井戸の茶碗は志ん橋師匠なの。つまり今日の2席は、僕なりのありがとう、っていう思い」
扇遊師匠、かっこよすぎです(涙)。
~つづく