MUGEプランニングのたまさかブログ

東海・中部地区で落語公演を開催しているオフィスのブログ

【粋で鯔背な人間国宝】~五街道雲助独演会5

コロナ禍の3年間、エンタメ業界への打撃は計り知れないものでした。
時短営業、マスク、ワクチン、そして究極が、人を集めてはいけないというお達し。
もちろんその期間中も苦しかったけれど、今それらが解除になってからも苦しい日々は続きます。理由ははっきりしています。公演数はコロナ前よりも増えたのに、客足が戻らないのです。中でも高齢者の落語ファンが戻っていません。たぶんおうちでご家族が外へ出したがらないのだと思います。もう歳だから、何かあったら大変、ということなのでしょうか、公演中の客席を見渡しても、すっかりお年を召した方が減りました。

MUGEプランニングの公演も、超人気者以外はほとんどの公演の客数が下降して、頭を痛める日々が続きました。その象徴と言えるのが前回、6/11の雲助独演会。
大須演芸場の一階席が7割しか埋まらず、今までで最低でした。
「このままでは、雲助師匠の会の継続をあきらめなければ」
「年2回が多すぎるようなら、年1回にするのも手かもしれないね」
本当にそういう方向も検討していたほどでした。そこに、本当にわずか1ヶ月後にニュースが舞い込んできました。誰もが驚いた、7月の雲助師匠の人間国宝
国宝が決まってすぐ、チケットの売り出し。今までの倍、いや3倍の問い合わせ。
ずいぶん早く、1階席は完売となりました。

そして当日。人間国宝は本当にいつもと変わらずダンディーな雰囲気を醸し出し、おしゃれな格好で楽屋入り。孫弟子のぼんぼりとにこやかに世間話をしながらランチタイム。いつものように箱根八里がかかると、間を置かずそそくさと高座へ。
客席から万雷の拍手。誰もが雲助師匠を待ちかねていました。

「子ほめ」ぼんぼり
「抜け雀」雲助 中入り
「淀五郎」雲助

淀五郎は、MUGEプランニングからのネタ出し。国宝が決まる前からの決定事項。雲助師匠得意の芝居噺で観客動員のアップをとの思いがあったのですが、そんな必要は全くなく、純粋にお客様は噺を堪能。雲助師匠の一挙手一投足に酔いしれていました。

「続けていてよかった・・・」MUGEプランニングの窮地を助けにやってきた、粋で鯔背な人間国宝。雲助師匠に、改めて感謝。