MUGEプランニングのたまさかブログ

東海・中部地区で落語公演を開催しているオフィスのブログ

ムゲプラ大須スペシャルウィーク1~雲助たっぷり雑感

何年か前、TBS落語研究会で、雲助師匠の「芝浜」を聴いた。
うちの連れ合いは、「芝浜」という噺が嫌いだ。
夢ですべてを片付けようとするにはストーリーに無理があり、そもそも飲んだくれがそんなにすぐ改心するわけない。談志師匠は、改心なんかしていない、ただ、しばらく酒を断ってまじめにやってみたら儲かって商売が面白くなっただけだ、そう言っていたというのを、鯉昇師匠から聞いた。だから改心なんかしていないのに感動のエンディングは違和感だ、そう連れ合いは言う。そこは全てを飲み込んで聞かないとならないから、この噺は嫌い、なんだそうだ。

そんな気持ちで画面を見つめていると、芝浜のおかみさんが、八五郎を張り倒していた。なんだこのかみさん、すげーな。その構成に踏み切った雲助師匠の高座を思い浮かべながらの高座は、五街道雲助ワールド全開の高座となった。

10/31(日) 14:00開演 雲助たっぷり
「加賀の千代」こはく  「お見立て」雲助
「ずっこけ」こはく   「火事息子」雲助

独特の間と表情で、お客様の視線をくぎ付け。古典を変にいじることなく、それでいて個性の塊。特に火事息子では、子を思う親の心を随所に匂わせながら、母親をコミカルに演じることによって単なるお涙頂戴にはしない。
「落語なんてそんな、教育的なもんじゃねーんだ」そんな声が聞こえてきそうなそんな高座に、酔いしれたのは一週間前。一週間たってもまだ覚えている、あの心地よさ。

五街道雲助。今度の独演会は5月22日。まだあの心地よさを、舞台袖で体感できる。
楽しみは半年後までとっておこう。

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