MUGEプランニングのたまさかブログ

東海・中部地区で落語公演を開催しているオフィスのブログ

若手の会をやり続ける、その意味。

エンタメ業界を襲うコロナ禍は、落語の世界に多大な影響を及ぼしました。
人が集まることも、大声で笑うことも、感染防止の名のもとに「悪」のように言われています。つい数年前は、笑いはNK細胞が活発になり健康的であるとかなんとか宣っていたマスコミが、危険をあおっていくたびにコンサート、リサイタル、演芸、演劇界がやせ細っていっています。落語会でクラスターが発生した事案など全国どこにもないのに寄席に人は来ず、落語家を志して入門した若者たちはいま、生活の危機に立たされています。

今回岐阜・じゅうろくプラザで昼と夕方に開催する会は、全国的に名前を知られているわけではないけれど、実力ある次代を担う若手です。その若手も、ソーシャルディスタンスという壁に阻まれ、狭いところでの落語会を中止せざるを得ません。この状況が続けば、次の落語界をけん引する若手がどんどんこの世界からいなくなり、何十年か先の落語界が危機に瀕するのは自明の理です。

かっこいいことを言ってますが、若手の育成のために会を続けていくのは、落語のプロデュースで生業を立てている私たちの責務と考えています。そうは言ってもいらっしゃるお客様に拙いものをお聞かせしない、そう考えてのメンバーがじゅうろくプラザに集結いたします。

三人とも、落語ブームと言われた時代、岐阜で行われた学生落語大会のファイナリストたち。その後の人生それぞれに、順風満帆、波乱万丈の前座時代を過ごしてきました。
でも、みんなが仲良く食べていく、そんな甘っちょろい時代ではなくなっています。のし上がっていく気概のある者だけが、栄光をつかめる。学生時代の栄光なんて、「メシのタネ」にはならないのです。

今は自分の落語を確立し、売れることにまい進する時期。そんな三人を、次代の落語界を背負って立つであろう三人を聴きに来て下さい。今週の日曜日岐阜でお待ちします。


令和2年 12月13日(日)

13:00「あお馬の恩返しⅣ」~柳家あお馬独演会
出演 柳家あお馬(小せん門下)3席

16:30「源太と吾空の大冒険2」
出演 桂源太 桂吾空 各2席

木戸銭 それぞれ ¥2500 (前売・当日とも)
チケット専用 09041533562 mugeplan29@au.com

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円楽師匠とのこと(4・最終回)

そして6年後は先週の日曜、高山市民文化会館。月日の経つのはなんと早いことだろう、と感じながら、肌寒い高山駅の改札にお出迎え。師匠は私の姿を見るなり、「おお~、元気か~」と笑って下さった。もう情報で私が長野を出て岐阜で生活をしていることはご存知の師匠だったが、真っ先に田舎の話題を。「〇〇ちゃん、死んじゃったんだよ」〇〇ちゃんとは、先にお話をしたゲートボールの企画を師匠に持ち掛けた旧知の旅館の旦那さん。「はい、存じてます」「そっか、突然容体が急変してな、あっという間だった。俺、お盆に行ってきたんだよ、お参りに」息子とは仲が悪くても、おやじさんは気さくに私に接して下さったので、訃報を聞いたときは驚いたものだ。
「おやじさんたちはどうしてる」
「そうか、まあ、歳だからな」
「ジョンがいなくなってからあの街も統率するやつがいなくなったよな」
私にしかわからない会話を繰り返すたび、私の頭の中は30年以上前にタイムスリップする。深く付き合ってきたわけではないけれど、私が落語に目覚め、この仕事をするきっかけになったのは師匠がいらしたからです。運命のいたずらで今はここにいるけれど、師匠のおかげで少しは呼び屋として東海地区では名も知られるようになりました。
そんなことを師匠に言いたくて言いたくて仕方なかったけど、今日は仕事。仕事以外のことで私情を持ち込んではいけないのだ。そう思いながら、「おい!親不孝者」と呼び止められることをちょっとだけ期待して師匠の控室の前を通る私がいた。

あっという間に公演が終わり、最後に駅で交わした言葉も、他愛もない一言だけ。
「じゃあな、またな」「お疲れさまでした」「・・・・おう」
師匠、あっけなすぎですよ、もっと昔話したかったですよ。だからあれだけ、控室の前を行ったり来たりしたじゃないですか・・・師匠の後姿を追いながら、そんなことを考えていた令和2年11月15日、高山市民文化会館・三遊亭円楽爆笑寄席。
トリの師匠の演目・・・「いたりきたり」。

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円楽師匠とのこと(3)

実家を離れ岐阜で、落語プロデュースの仕事を本格的に始めるようになったのは2005年から。そうは言ってもいきなり大物をお呼びすることなど夢のまた夢。こつこつ、こつこつ。積み上げてきた公演数は優に100を超えたであろう9年後、2014年2月23日、各務原市文化ホールでの会に楽太郎師匠いや、もう6代目円楽になっていた師匠をお呼びすることができた。

「親不孝・・・じゃなくてばちあたりか、とうとうこんな浮き草家業に足を踏み入れやがって」

笑いながら茶化す師匠はあの時のままだった。聞けばぜんそくがひどく体調も悪そうで、心配していたのですが満員のお客様の前で、「ねずみ」を45分の大熱演。緞帳が閉まったあとも立ち上がれず、若手に支えられながらさがって来た師匠が、ソデで頭を下げる私に向かってにやっと笑った。
「お前の見ている前でヘタ打てねえからな」私には師匠が、そういっているような気がしてならなかった。帰りの車に乗り込む前、「今度また、近いうちにお呼びできれば」そう声をかけると師匠は言った。
「期待しないで待ってるからな」
師匠。きちんと事務所を通して適正なギャラで定期的にお呼びできるようになりました。これからは仕事の相手として認識してくださいね。私は心の中でそう言った。言ったはずなのに、再度師匠をお呼びするまでに、また6年もかかってしまったのでした。(つづく)

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頼光アキット ユメユメコラボ4迫る。

魔法使いアキットが演芸とコラボする企画、ユメユメコラボ。今回が第4回目。一回目は新作、改作派の若手落語家鈴々舎馬るこ、二回目は昭和レトロの匂い満載、サザザ旋風を巻き起こした活弁坂本頼光。そして前回は桂文鹿師匠がアキットにダジャレ文化の河内にわかを教えるという神回になりました。今回は、第二回でアキットファンに鮮烈な印象を残していった活動写真弁士の第一人者、坂本頼光さんが再び登場です。神田伯山ラジオでも大絶賛されたその卓越した能力が前回見事にアキットとリンクし、頼光ファンが急増したという噂もあります。

最近の頼光さんは、今を時めく講談師・神田伯山さんが出演するアニメ「クラユカバ」で共演するなど活動の幅を広げています。伯山先生に「頼光さんは天才」と言わしめたそのカツベンの世界に、アキットが少しだけ、足を踏み入れます。

◎伯山先生が頼光さんを絶賛した記事はこちら
https://radsum.com/archives/11208

「珍妙幌馬車」今回アキットがチャレンジするカツベンです。もちろん頼光さんの無声映画のカツベンもあり、アキットのマジックショーもたっぷり。先が読めないまさに夢のコラボです。お席は完全ソーシャルディスタンスのひと席あけで安心です。岐阜駅から徒歩8分、ホテルグランヴェール岐山に、ぜひお越しください。当日は、検温も消毒も酒浸布も用意して開催しますので、安心してきてください。あ、お子さんなどに刺激が強い「サザザさん」は今回はやらないそうです。(笑)

令和3年 10月9日(土)PM2:00開演(1:30開場)
落語と魔法 頼光アキットユメユメコラボ4
岐阜・グランヴェール岐山 2階 カルチャーホール
全席指定 ¥4000 (前売・当日共)
◎頼光さんは今回は、「サザザさん」はやりません。
メール mugeplan29@au.com   電話 09041533562 

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円楽師匠とのこと(2)

楽太郎師匠は、宿泊場所にもなっている旅館の旦那さんとは旧知の仲でした。
そんな縁で格安の予算でゲートボール大会が開催できていたのですが、当然楽太郎師匠が所属している先代圓楽師匠の事務所の差配でした。夏祭りもこの差配で若手の方を二名お願いしていたのですが三回目の会の前に、二回目に来ていただいた若手から「事務所を通さず、直接やり取りをしたい」希望があったのです。通せばただでさえ少ないギャラがさらに減ってしまうということでした。こちらは異存はありませんが楽太郎師匠にきちんと話をしてください、というと二人は話を通したというので直接やり取りをしたのですが、その旅館の息子が、私に対して「事務所を通さずに呼ぶとは何事か」と食って掛かってきたのです。私にすれば師匠に断ってくれたという二人の言葉を信じただけだったのですが、どうやら楽太郎師匠に断っただけで事務所には言わなかったようで「ルール違反をした」ように言われたことでこの旅館の息子とは決定的に仲が悪くなり、その関係で師匠もその旅館の招きで来ている立場上気まずかったのか、私に話しかけることはあまりなくなってしまいました。そんなわけで毎年顔は合わせてもよそよそしい関係になってしまったのは今考えても残念でなりません。

加えて、毎年恒例の夜の寄席も、だんだんとこの世界の常識も学んできたところだった私にとって高座の高さ、進行、お客様への開演時のお願い、などがとてもルーズなものになってしまう、でも立場上あまり口も出せない、ということで参加そのものに熱意が薄れていったのです。そして様々な要素も加わり私が実家から離れることになった17年前の2003年を最後に、師匠との交流は途絶えてしまったのです。(つづく)

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円楽師匠とのこと(1)

昭和62年11月、三年間のサラリーマン生活を終えて実家の家業を継いだ私。
その町には、円楽師匠がまだ楽太郎だった35年前から毎年一門の弟子を引き連れてゲートボール大会を開催していました。そのボランティアに参加していた時、夜の落語会にサラリーマン時代、自分が独学で覚えた落語を前座でやってみたらどうだと薦めるスタッフの甘言に乗せられ、こともあろうにプロの前で30分もやってしまった失礼極まりない私を、楽太郎師匠が笑って許して下さってから、「落語好きのバカ息子」として認知され、以来細い細いお付き合いをさせて頂きました。

もちろんもうその当時からビッグスターだったこともあって、私と個人的な交流などして下さるはずもなかったのですが、その地域の夏祭りの落語会のしきりを任せられたこともあり、五代目圓楽一門のお弟子さんたちとは世代も近いこともあり急速に進行を温めていきました。その第一回の夏祭り落語会にお呼びしたのは忘れもしません。今の伊集院光、当時まだ前座だった三遊亭楽大さんでした。演じて下さったのは「道具屋」。
それでも前座噺なのに彼が演じると高座にぱあっと花が咲いた感じがしたことを、昨日のことのように覚えています。そんなこともあって楽太郎師匠にも少しだけ、目をかけて頂いたかなあと思っていた翌年の夏祭りの時、のちのちの私の仕事でも十分に気を付けているトラブルが起き、師匠にご迷惑をかけてしまったのでした。(つづく)

神田松鯉・伯山師弟共演(3/14一宮公演)追加販売について

5/22に岐阜・じゅうろくプラザで開催予定だった松鯉・伯山師弟共演はコロナの影響を受け延期、3/14(日)13:00より、愛知県一宮市民会館でその延期公演が行われます。
この先の感染拡大の可能性も鑑みてソーシャルディスタンス50%収容にて行いますが、
そのチケットの追加販売のお知らせです。

コロナ禍の折、一番対処に困ったことはお売りした方に延期情報がなかなか伝わらなかったことで、今回も「延期を知らなかった」という方が多数いらっしゃいました。
そのため今後の状況を考えるとプレイガイドでお買い上げの枚数をなるべく少なくしたいと考え、ぴあなどのネット販売を今回はせず、MUGEプランニング専用メール、ダイヤル、ラインのみで対応したいと考えております。お手数ですが転売防止効果にもなりますので下記の方法での販売にご理解をお願い致します。

販売開始日 
 11/16(月)0:00から mugeplan29@au.com 
   または 下記のチラシ記載のQRコードから

  11/18(水)10:00からは 電話の受付も致します。
   (専用ダイヤル) 090 4153 3562
      

購入方法

お伝えいただいたご住所にこちらから先にチケットをお送りします。
中にチケットと一緒に郵便振替用紙を同封いたしますので10日以内に郵便局からお振込みをお願いします。ネットバンキングなどからの入金も可能ですが、その場合はお名前と席番号も忘れずに記入をお願い致します。

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