MUGEプランニングのたまさかブログ

東海・中部地区で落語公演を開催しているオフィスのブログ

円楽師匠とのこと(1)

昭和62年11月、三年間のサラリーマン生活を終えて実家の家業を継いだ私。
その町には、円楽師匠がまだ楽太郎だった35年前から毎年一門の弟子を引き連れてゲートボール大会を開催していました。そのボランティアに参加していた時、夜の落語会にサラリーマン時代、自分が独学で覚えた落語を前座でやってみたらどうだと薦めるスタッフの甘言に乗せられ、こともあろうにプロの前で30分もやってしまった失礼極まりない私を、楽太郎師匠が笑って許して下さってから、「落語好きのバカ息子」として認知され、以来細い細いお付き合いをさせて頂きました。

もちろんもうその当時からビッグスターだったこともあって、私と個人的な交流などして下さるはずもなかったのですが、その地域の夏祭りの落語会のしきりを任せられたこともあり、五代目圓楽一門のお弟子さんたちとは世代も近いこともあり急速に進行を温めていきました。その第一回の夏祭り落語会にお呼びしたのは忘れもしません。今の伊集院光、当時まだ前座だった三遊亭楽大さんでした。演じて下さったのは「道具屋」。
それでも前座噺なのに彼が演じると高座にぱあっと花が咲いた感じがしたことを、昨日のことのように覚えています。そんなこともあって楽太郎師匠にも少しだけ、目をかけて頂いたかなあと思っていた翌年の夏祭りの時、のちのちの私の仕事でも十分に気を付けているトラブルが起き、師匠にご迷惑をかけてしまったのでした。(つづく)