MUGEプランニングのたまさかブログ

東海・中部地区で落語公演を開催しているオフィスのブログ

松鯉伯山師弟共演、紆余曲折を経て、無事終演。

きちんとしたお辞儀、微笑みを絶やさないそのお人柄。講談界で二人目の人間国宝は、岐阜羽島に降り立った時に開口一番、このように話されました。

大野伴睦先生の銅像はどこにありますか」

私がその方向に指をさすと松鯉先生は深くうなずかれ、「あの方がいらっしゃらなかったらこの駅は生まれていなかったのですよね」とおっしゃいました、「いつもMUGEプランニングさんのお仕事ではこの駅を重宝しています」と伯山先生が返してから、お迎えの車の中では30分ずっと、お二人の芸談が花盛りでした。

松鯉伯山師弟共演。昨年5月に岐阜で開催予定だったこの会は、二転三転してやっと、ここの一宮で日の目を見ることができました。コロナで場所変更、3.14。場所は岐阜市文化センター。前より100収容が減るのでキャンセル希望のお客様に返金。ところが文化センターから、50%のソーシャルでの開催をいきなり言い渡され、開催自体が暗礁に。二回公演も考えましたがお客様を昼夜で割り振ることはかなり難題。こうなったら周辺の、50%でも今までのご予約を賄いきれる1000人以上の会場をかたっぱしから当たって3ヶ月。いつもチラシ配布などでお世話になっていた一宮市民会館の担当の方から「キャンセルがあって、その日空きました~、使いますか?」との電話。

「はい!使います!よろしくお願いします!」

急転直下、岐阜から一宮へ。駅からはかなり遠い会場とはいえ1500人を収容できる。
その日からお客様への告知、席の送付、雑務が押し寄せてきたけれど、開催できる喜びがその苦労をかき消してくれました。

「今日は師匠がトリですので甘えて、ほぼネタだし髪結新三をかけさせて頂きます」
伯山先生がチョイスしたこのネタは、昨年秋に高山でお呼びした時から稽古をしていたネタ。愛山先生に教えて頂いた、とその時聞いていたネタを、私の公演でかけて下さる感激。ソーシャルながらいっぱいのお客様。MUGEプランニング設立以来最大の公演は、アンケートでお客様が絶賛するほどの、素晴らしい公演となりました。

「海賊退治」       鯉花
「秋色桜」        松鯉
「髪結新三~鰹の強請」  伯山
「鹿島の棒祭り」     伯山
「出世の高松」      松鯉

「公演の合間に俺さ、タバコ吸いに何度か外に出ただろう。その時さ、通る人がいちいち俺に会釈していくんだよ。なんでかなあと考えたんだけど、あれみんな、今日のお客さんだったんじゃないかなあ」
松鯉先生、もう少し御自分が国宝である、ということをご認識なさって下さい(笑)

「また師匠、〇〇のネタの稽古、よろしくお願いします」
「ああ、弟子には惜しみなく教えますよ、でもお前は稽古によく来るよな」

いい師弟だなあと改めて感じた一日に、感謝。皆様ご来場、ありがとうございました。

最後になりましたが松鯉先生のプロフィールに「ネタ数は150以上」と書いたのは「500以上」の間違いであります。松鯉先生に深く深く、お詫びを申し上げます。(汗)
それと、プログラムの表紙の開催日の曜日が、約7割の方のが「木」になっていたのも併せて訂正させて頂きます。正しくはもちろん、日曜日です!

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