MUGEプランニングのたまさかブログ

東海・中部地区で落語公演を開催しているオフィスのブログ

【そこは秘密のアジト】~12月のレピリエ公演~

3年前、獅鉄くんから名古屋の会場として紹介して頂いた円頓寺レピリエ。
名古屋駅から近く、古民家なので趣もあり、楽屋もしっかりしている使い勝手の良さに惹かれ、それ以降MUGEプランニングの小さな会の本拠地として利用している。
基本、12月の名古屋は大須演芸場も定席のほかに松井誠公演で長期に押さえられ、下旬は大名古屋落語祭と師走ならぬ「落走」月間なのでMUGEプランニングの公演は若手中心、レピリエ公演となる。

今年も二週間の間に5本。お客様にもだんだん認知されてきたようで何より。

12/6(水) 笑福亭羽光
私小説落語三題>
「青春編パート2」 「胸の痛み編」 「スローバラード編」

とても繊細で、物静かな羽光師匠。自分の歩んできた道で起こったことを隠すことなく落語に落とし込み、お客様の共感を得ていく。いじめられた経験やふられた経験など、生きていれば必ず自分にも当てはまりそうな事柄がさらに深く思い起こされる。
落語という芸能がいかに門戸の広い、なんでも受け入れるジャンルであることを改めて思い知った夜でした。

 

12/9(土)桂吉の丞
「犬の目」「餅屋問答」「一文笛」


3回目にして今までで一番の盛り上がり。それは、お客様に認知されたということももちろんあるとは思いますが、この日は気合の入れ方がものすごかった。特にマクラの構成がうまくできていて、米朝一門の匂いがそこかしこに感じられる秀逸の高座。
終わってから出演料を渡し、その領収書の住所、名前が手が震えていてかけない、そこまでパワーを使い果たしていたことに驚愕した9日でした。

 

12/16(土)昼 春風亭いっ休
「牛ほめ」「百歳万歳」「蛙茶番」

11月上席に二つ目に昇進するまでなんと5年9ヶ月を要した、コロナの犠牲者?ともいえるいっ休さん。一之輔師匠の前座でいらっしゃった頃は、よどみなくきっちりした口調で大物を感じさせたけれど、実際3席聞くとまだ、自分なりのオリジナリティーを出していくにはまだまだかな、という感じがしました。でもそれも経験を積んでいけば問題なくなること、そこまで応援していこうと思わせる、若々しい高座でした。

12/16(土)夕  柳亭市好
ちりとてちん」「大工調べ」「浜野矩随」

二つ目になって3年、方向性にいちばん迷う時期。学生時代から知っている彼の誠実な人柄は、噺家になっても変わることがないようで、師匠や先輩たちからお仕事をよくいただいていますと語る。芸人はどんな方法でも、売れればそれが正義。小さな会で「大工調べ」を通しで演じ、中入り後には浜野を語るその気概に拍手。頑張れ。

12/17(日) 笑福亭由瓶
蝦蟇の油」「転宅」「除夜の雪」

MUGEプランニング2023年最終公演となったのは、上方の奇才、26年のキャリアを持つ人気者由瓶さん。前日とはうって変わり、爆笑落語で会場を揺らしまくり、中入り後はしんみり大みそかの物語。引き出しの多さはさすが。半年に一度、名古屋で由瓶師匠を聴けるのは本当に楽しみなのです。

今年もあと10日。
一年間MUGEプランニング公演にお越し頂き、ありがとうございました。また来年もよろしくお願い申し上げます。