MUGEプランニングのたまさかブログ

東海・中部地区で落語公演を開催しているオフィスのブログ

【笑福亭松喬 還暦+1落語会3days 初日】~一年前の約束~

昨年9月、パリーグの優勝争いを演じていた2チーム。
優勝したオリックスの熱狂的なファンが松喬師匠で、惜しくも2位になった熱狂的なファンが私。ふたりで京セラドームに野球を見に行った時、入場前のイオンのフードコートで食事をしたその時に、師匠に持ち掛けた3days。

私は西の落語家さんで、口跡、間、リズム、どれをとってもNO・1は松喬師匠だと思っていて、それなのにご本人はあまり東京に打って出ようとか、大きなことをする気がそんなにないことをちょっと残念に思っていたので、せめて東海地区にだけでも松喬という落語家さんの凄さを知ってもらおうと思っての企画でした。

その初日、10/9日曜日。この日は他にも名古屋で落語会があったりで、観客動員に不安があったものの、師匠のお知り合いが岐阜から大挙襲来してくださる後押しもあり、恥ずかしくない入りで始まりました。

「延陽伯」喬路  「猫の油」松喬 ニューシネマパラダイス」羽光
「露出さん」百栄 ~中入り~ 「フリートーク」三人 「おごろもち盗人」松喬

一席目の猫の油は「蝦蟇の油」の改作。猫落語会の時に作ったというのだが、基本の筋を壊さない進行から突然に猫の油を売りつけ始める。その猫の鳴き声があまりにリアルで、お客様大爆笑。この噺ですっかり大須演芸場が松喬ワールドにはまると、あとはスムーズ。羽光師匠がCDでハメモノ入りの新作をかまし、客席が目を丸くする。そのあと百栄師匠が十八番の「露出さん」。前に他の噺家さんで聞いた時は(百栄師匠が稽古をつけたらしい)情景があまり浮かばず、今一つの印象でしたがやはり本家は違いました。下品な噺になりがちなところをほのぼのと変えて下さる、百栄ワールドも松喬ワールドに負けず劣らず素晴らしい高座でした。

そしてトークを挟み、これぞ東海のお客様に味わって頂きたかった一分の隙もない。完璧に仕上がったおごろもち盗人。還暦すぎてもなお、全く噛まないよどみない喋り。

「どうだ、すごいだろう、すごいだろう。」

ソデから私は客席を覗きながら、客席が松喬師匠に引き込まれていく光景に最大限の喜びを感じていました。

あと二日、江戸落語のスーパースターを迎える準備は怠りなし。
こうして初日の公演は幕を閉じたのでありました。