MUGEプランニングのたまさかブログ

東海・中部地区で落語公演を開催しているオフィスのブログ

【9/28 14時 柏崎産業文化会館 桂二葉独演会~あれから1年4ヶ月~】

桂二葉さんがNHK新人落語大賞を取り、女性の噺家をあまり評価しない風潮に終止符が打たれたあの言葉、「じじいども、見たか!」あの瞬間から二葉さんは、スター街道を駆け上がっていきました。MUGEプランニングでも、二葉さんを呼んでほしいという依頼がいくつかあり、それまでつてがなかった私に「取り持ってあげるよ」と声をかけて下さったのが桂雀太さんでした。

一番先に声がけをして下さったのは柏崎の元芸術協会の方。文化活動を長年にわたって行ない、何度も入れ方を頼まれていた10年来のお付き合い。柏崎の方に喜ばれていたのが原発の停止、コロナ禍でその存続が立ち行かなくなり、活動停止を余儀なくされてしまったことは私も気にかかっていました。、何とか存続をと考えて企画したのが昨年の5月の雀太、二葉、源太三人会だったのです。

チラシもこさえ、準備も滞りなく進んでいましたが、芸人仲間が見ても分刻みの過酷なスケジュールをこなしていた二葉さんののどの調子が悪くなり、残念ながら二葉さんはお休み。でもこの日、チケットを購入した約200名の方の中で「二葉さんが出ないならキャンセルを」と言われた方はわずか3名。後の方は「早く治して柏崎に来て下さい!」とエールを頂きました。

それから1年4ヶ月。忙しいスケジュールの中でも二葉さんは柏崎のことは忘れずにいて下さいました。今度は独演会、という形での凱旋。それも金鳥カトリのCMに出るなどさらに有名になっての登場。今度こそ、その姿をたっぷりと柏崎の方に見せて下さる、そんな気がします。チケットまだございます。新潟。長野、富山、周辺の方々。
二葉さんに会いに、ぜひ柏崎へ。

07026731203

mugeplan51@au.com
まで、ご連絡お待ちしています。ラインでも注文できます!

 

【9/15 14時 かけ橋・いちか二人会~肝の据わったふたり会~】

9/15日曜日、大須演芸場で開催するかけ橋&いちか二人会の公演について、複数の方からアドバイスをいただきました。

「9/15って敬老の日だよね」
「二日続けてはなかなかね・・・まして前の日がビッグすぎるから」
「まだまだ若手なんだから、いきなりの大須演芸場は早いんじゃない??」

解説をすると、9/15は敬老の日じゃありません。翌日の16日が敬老の日なのですが、たしかに敬老週間ではあり、お年寄りは別のイベントがあるんだろうなとは感じていました。で、前日は人間国宝神田松鯉先生と瀧川鯉昇師匠の二人会ですから、大物の翌日という条件下での開催は日が悪い、という点も事実だとは思います。

ですが、これは前のブログで述べたことと被りますが、若手の二人会を開催する以上、お客様の動員を第一に考えることはないのです。MUGEプランニングが惚れた芸人さんの二人会、それは収支の問題ではないのです。ましてこの二人なら、たとえどんな条件下でも存分に結果を出してくれるだろうとも思っています。

「肝が据わっている」→めったなことでは驚かない、動揺しない、度胸がある

かけ橋さん。以前は三三師匠のお弟子さんでした。それがある事情で芸協の柳橋師匠に入りなおし、前座修業をやり直した苦労の人です。断っておきますが、三三師匠から破門されたわけではありません。本人のしくじりとかでもないです。その刑を全部知っているからこそ、彼を応援します。そして彼の活躍を、三三師匠も柳橋師匠も心から願っています。

いちかさん。福岡県から上京し、舞台俳優を目指していました。講談に目覚め一念発起して一邑師匠に入門したのは大学卒業後ずいぶんあとのことで。入門後は年下の先輩がずいぶんいた状況と思われます。そこから短期間で成長を重ね、神田伯山先生に注目の若手と取り上げられました。登場人物の誰にでも入り込める器用な面を持つ一方、少々のことには動じない強さもその高座からは推し量られる、稀有な講談師と私は思います。

前回ブログに書いたおふたり同様、この二人も会を経て、それぞれのフィールドでのし上がり、やがてもう一度二人会を大須演芸場で開く、そんな第一歩と考えます。

MUGEプランニングが推す若手なら間違いない、そうおっしゃって下さる方にお勧めです。9月15日の14時に、大須演芸場にお越し下さい。
07026731203  mugeplan51@au.com 

でお待ちしております。

 

【7/21 14時大須で朝枝に乗る会~まず、隗より始めよ~】

この日、岐阜で大きな会があると聞いたのはチケットを売り出す少し前でした。
大看板の会が近くであれば、どうしたってお客様は目減りする。
コロナ明けの名古屋は、会のバッティングがそこかしこで起こっています。
まして若手の会となれば、その落語家の実力を知らない人は足を運ばない。
それはMUGEプランニングとしては織り込み済みです。

今度の会は、春風亭朝枝という、MUGEプランニングが二つ目さんの中でもピカイチとにらんだ落語家さんを、ずっと追いかけていくことに決めた会です。
そしてその第一回の先輩落語家は、同じくMUGEプランニングがずっと追いかけていくことを決めた若手真打、入船亭扇橋師匠です。

一蔵、小燕枝、扇橋、同時に昇進した三人の中で、あまりパフォーマンスに長けていないのが扇橋師匠。人を押しのけて自分が、という性格ではないことは二つ目時代から分かっていました。だから江戸でもうやっている扇橋、朝枝二人会の雰囲気を名古屋に持ってくることによってふたりそれぞれの魅力を味わってもらおうと企画したこの会です。

先走った情報ですが、MUGEプランニングではこの先朝枝さん主役の会を年2~3回、扇橋師匠主役の会を年4回行なうことが決まっています。
その記念すべき第1回がこの会。この会が終わると二人はそれぞれ分かれて主役の会。お互い別々に会を開き、機が熟したならまた、二人の会をやりたいと思っています。
大須演芸場の二階席まで全て埋まることを最終目標に、最初の船出です。
物事、大きなことを成就させるにはまず最初の小さいところから始めよ。中国の故事からの言葉が、まさにこの会に当てはまると私は感じています。

7/21。このふたりを知らない方??だまされたと思って、来て見て下さい。
きっときっと、満足できると思います。

チケット 07026731203  mugeplan51@au.com  で、お待ちしております。



 

【怒涛の6月】

5/18オースのジョー以降、ブログさぼっていました。
いや、さぼっていたというか、準備があれば公演がありで文章を書けるゆとりがなかったと言ったほうがよいかも。6月は、以下の公演がありました。

6/1 月亭天使
   柳亭市好
6/2 桂吉の丞
6/9 玉川太福
6/16 由瓶&兼好
5/31.6/7.14.21/28松麻呂続き読み

コロナ期間がほぼ過ぎて、平常運転に戻ってからの東海地区での落語公演の多さ。
どんなに注意して組んでみても、土日となると客層が同じ公演が2.3つ重なる。
結果的にお客様が困ってしまうのは理解しているのですが、かれこれ1年前から会場を押さえているので急に変えられない事情もあるのです。

7月もこんな感じです。
7/6 春風亭いっ休・松麻呂続き読み最終回
7/7 桂源太
7/10 笑福亭由瓶 トーク&落語
7/14 鈴々舎美馬・桂天吾二人会(どくさいスイッチ企画特別参加)
7/21 大須で朝枝に乗る会

今月こそは、ブログ復活させるぞ~

 

「本寸法の底力」~オースのジョー15 雑感

「多様性の時代」そう言われて久しい。
「男は男らしく、女は女らしく」なんて言葉はとっくに死語。
男同士、女同士の結婚も国で認めるようになって、まさに多様性。伝統芸能の最たるものであるはずの歌舞伎も、若者に目を向けてもらうために様々な方向性を模索したり、歴史小説をアニメ化すれば、そこには巨大な瞳のイケメン武将がずらりと並ぶ。

落語も例外ではなくて、古典落語を大幅に改作したり、新作もシュールなものや現代への問題提起的なものまで千差万別。でもそういう中でも、菊之丞師匠はブレない。
落語の中の入れごとも最低限、あとは噺の筋書き通りに淡々と演じる。

そういう意味では、時代を先取りすることのない、あくまで本寸法の芸のはずだが、その菊之丞師匠は東海地区で今、引っ張りだこである。カルチャースクール、文化事業団、各地自治体のホール、ここ半年でも5~6回東海地区で活躍されている。

実際、オースのジョーにこられるお客様は他の会の層とは違い、女性で言うと着物率が圧倒的に高かったりする。昨今の風潮に抗うこともなく、さりとて迎合もせず、古今亭の本寸法落語を貫き通す菊之丞師匠のその姿を良しとするファンは多いのだ、

「牛誉め」しろ八
「三井の大黒」菊之丞 ~中入り~
「木村長門守 重成の最期」いちか
「ねずみ」菊之丞

講談のいちかさんとのコンビも息がぴったり。
無事終演、片づけをしていると、かみさんから報告。

「今日発売した二豆・雛菊の会のチケット、14枚売れた」

さすが師匠、弟子の会への影響力も一流でした・・・・。
次回は11/9土曜日、ゲストは太神楽のラッキー舞さんです!

 

【そうなったら、断ります】~雲助たっぷり(4/28)

世間がGWに入る最初の日、4/28は大須演芸場で雲助師匠の独演会。
いつもように雲助師匠が楽屋に入ると、先に入っていた花丸師匠が深々とご挨拶。
今回の助演をお願いした時からずっと恐縮しまくっていた花丸師匠。
その硬いままの雰囲気を和らげようと、雲助師匠が花丸師匠に問いかけました。

「上方の会長選挙、ことしはずいぶんニュースで取り上げられていましたね」
そこからやや和らいだ雰囲気となり、私もその会話に少しだけ参加させて頂きました。

落語協会もこの6月で任期が来ますね」
「そうですねえ。だれになるのやら。副会長がそのまま会長になると思っていたんですが、どうなるのか」
「師匠ももしかして、候補になるかもしれませんよ」
「いや、私はけっこう前に理事を辞めてますから」
「でも国宝におなりになったんで、周りから頼まれるかも」
「ああ・・・・そしたらすぐに断ります」

演芸場の楽屋に、江戸の風が吹きまくっていました。

「牛ほめ」ぼんぼり
お菊の皿」雲助
悋気の独楽」花丸~中入~
居残り佐平次」雲助

次回は11/10です!!

 

桂米紫噺家生活30周年記念公演~二刀流~

桂米紫噺家生活30周年の会を大須演芸場でやろうと決めたのは、1年前の3月でした。
桂米紫という、上方の落語家さんの中でかなり上位のクオリティーを持ちながら、また積極的にいろんな場所に出向きながら、その割に名古屋をはじめとした東海地方に知名度が浸透していない噺家さんの現状を踏まえた時、MUGEプランニングができる事は何なのかを問うて、出した結論が今年4/21の大須演芸場昼夜公演でした。

企画を出した時に意見が一致したのは、「今まで米紫師匠が行なった独演会では絶対企画をしないだろう人選」。名古屋で新しい自分を出してきたいという師匠の意思を汲み取り、それでは古典の他に、米紫師匠が今まであまり取り掛かってこなかった新作の公演もやっての二刀流という、師匠には大変ハードな会の中身となりました。

決定してから1年、思うように盛り上がらない感触に焦り始めていたころ、同じ日、同じ時間に伏見で宮治師匠が出演する会があると聞き、今さらながらに江戸の噺家さんに比べて上方の噺家さんが認知されていない事実を思い知り、ただひたすらじたばたしていた会の半月前、見かねた連れ合いが私に一言だけ言った言葉。

上方落語を名古屋に広めたいと言ったのはあなた。
これくらいの試練は予想できたんじゃないの?」

おっしゃる通り、その通り。
今回何人の方が演芸場にお越し下さるかはわからないけれど、その方が上方落語を好きになってくれればそこから倍々ゲームとなる。そして何年か先に実を結べば、それこそ夢が現実になる。そう思ったら一気に気が楽になりました。

手っ取り早く言うなら、どうにでもなれとケツをまくったあの日から、お客様の数は倍以上の伸びを見せたのでした。

新作の米紫
「オープニングトーク
「マニュアル通りにデートしてみた結果www」米紫
「名探偵コニン」美馬
「二人狐」米紫   中入
「令和が島にやってきた」きよ彦
「落語の迷宮/岬にて」米紫     糸 岡野鏡

古典の米紫
「オープニングトーク
「親子酒(改)きよ彦
「堺飛脚」米紫
長屋の花見」鯉昇~ 中入~
粗忽の釘」鯉昇
「柳田格之進」米紫   糸 岡野

柳田が最後の力を振り絞って刀を振り下ろしたあの瞬間、米紫さんの実力がお客様に深く認識された、そんな気配を舞台袖で感じました。昼夜合わせて6席、しかも最後は50分の熱演。打ち上げで私の目の前には、精も根も尽き果て米紫師匠が座っていました。

私は弱気になった自分を恥じ、「申し訳ございません、そしてお疲れさまでした」と心の中でお詫びをしました。上方落語の逆襲はまだ始まったばかり。一歩一歩、信者を増やす作業はまだまだ続くけれど、今回来て頂いた昼夜合計160人のお客様の心には、しっかりと「桂米紫」が刻まれたことでしょう。
実はそれが一番の収穫だったんだ、私はそう思っています。
ご来場、本当にありがとうございました!